息子への年賀状2018

中村土光

年賀状 / 絵画・ドローイング
148 x 100 x 70 mm

スペース: AWAJI Cafe & Gallery

購入、詳細: startbahn.org

ピッカー:

神田雄亮

コレクター(西治コレクション )

ピッカーコメント:

神田雄亮

子供が描いたような富士山と達筆な文字とのバランスにまず違和感を受けた。文章が逆さ富士の先端に押し出され、構図そのものにも不安を持った。母が描いたという「コンセプト」でヘタウマ画のように制作されたのであろうか。

しかし、どうやら本当に母が息子に宛てて出した年賀状だという。作者は昨年の富士山展βにも出品したようで、そこには同じく母からの年賀状作品があった。偶然送られてきた年賀状を作品にしたという。ただ、そこに描かれている富士山は大人が描いたような赤富士で、文章と絵の構図も安定している。そして、その富士山は「帰路につく途中みた」ものという。

翻って本作は「テレビでみた」富士山という。構図といい、これらの違いは何か。それは、息子に今年も富士山年賀状を出してくれと「乗せられた」母親の意識的な作用である。本作は、年賀状という年始の「出来事」を親子の「関係」で作品化したものだ。もし来年再び富士山展があるならば、「夢でみた」富士山が描かれ、鷹と茄子も付いてくるかもしれない。是非並べてシリーズでみてみたい。小難しい知識なくとも、鑑賞者があれこれ想像したり読み解いたりして楽しめる現代アート作品だ。


EAT&ART TARO

息子への年賀状、テレビで見た光景を年賀状に書いていて、実物を見たわけではないところが素敵。文字は達筆で母の字という感じなのにたいして、富士山はちょっとポップでイラスト的な対比も好き。ほんとうに今年の元旦朝にそんなテレビをやっていたのかネットで調べたら、光り方も湖岸の形もまったく同じyoutubeが出てきて、ちょっと感動した。

ピッカー:

EAT&ART TARO

アーティスト

ピッカーコメント:

神田雄亮

子供が描いたような富士山と達筆な文字とのバランスにまず違和感を受けた。文章が逆さ富士の先端に押し出され、構図そのものにも不安を持った。母が描いたという「コンセプト」でヘタウマ画のように制作されたのであろうか。

しかし、どうやら本当に母が息子に宛てて出した年賀状だという。作者は昨年の富士山展βにも出品したようで、そこには同じく母からの年賀状作品があった。偶然送られてきた年賀状を作品にしたという。ただ、そこに描かれている富士山は大人が描いたような赤富士で、文章と絵の構図も安定している。そして、その富士山は「帰路につく途中みた」ものという。

翻って本作は「テレビでみた」富士山という。構図といい、これらの違いは何か。それは、息子に今年も富士山年賀状を出してくれと「乗せられた」母親の意識的な作用である。本作は、年賀状という年始の「出来事」を親子の「関係」で作品化したものだ。もし来年再び富士山展があるならば、「夢でみた」富士山が描かれ、鷹と茄子も付いてくるかもしれない。是非並べてシリーズでみてみたい。小難しい知識なくとも、鑑賞者があれこれ想像したり読み解いたりして楽しめる現代アート作品だ。


EAT&ART TARO

息子への年賀状、テレビで見た光景を年賀状に書いていて、実物を見たわけではないところが素敵。文字は達筆で母の字という感じなのにたいして、富士山はちょっとポップでイラスト的な対比も好き。ほんとうに今年の元旦朝にそんなテレビをやっていたのかネットで調べたら、光り方も湖岸の形もまったく同じyoutubeが出てきて、ちょっと感動した。