村田朋泰
アーティスト
村田朋泰(1974年生)は、日本の伝統芸能であり、世界無形文化遺産でもある「文楽」からインスピレーションを得て、パペットアニメーションの制作を始めました。喜怒哀楽を主に一人で伝える太夫、音楽で心理、緊迫感、雰囲気を描く三味線、頭の角度や手の仕草で人形に命を吹き込む人形遣いで構成される文楽同様に、目、耳、肌、空気感で鑑賞する表現方法としてインスタレーションとパペットアニメーションを用いている。作品を通して、日本人のアイデンティティの1つである、あらゆるものが変転し移ろいゆくものにこと美しさを感じる日本人の「無常観」を一貫して表現しようとしている。
2011年の東日本大震災の後、村田は生と死に関する記憶の旅をテーマにした新しいシリーズの制作を始めた。このシリーズは、5つの物語で構成される予定で、現在は3つの物語、『翁舞 / 木ノ花ノ咲クヤ森』、『天地』、『松が枝を結び』が完成しており、映像作品に合わせインスタレーション作品も制作している。このシリーズで、村田は、「祈り、記録、信仰」テーマとした物語で「無常観」を描こうと試みている。