大坂秩加

アーティスト

大坂秩加(1984年生)は、東京藝術大学で油画を専攻後修士課程修了。2010年シェル美術賞展で審査委員賞を受賞、2014年にはVOCA展で佳作賞を受賞。ドイツでの個展開催や2016年に京都版画トリエナーレに参加し、発表の場を広げている。
初期より大坂は、作品に自身で作った小説の一節とも誰かの日記の一部とも言えるような、様々な世代の女性の日常を描いた短い文章をつけ、作品を発表してきた。文章から着想を得て完成された作品は、必ずしも、その内容が作品に反映されている訳ではなく、説明や補完するためのものでもない。しかし、その文章が添えられることで、作品への想像がより掻き立てられ、短編小説の主人公の断片的な日常を切り取り、集約したような要素を強めている。
個展を通して、作品に付随する文章を利用し、様々な人の視点から、ある女の子の人物像を浮かび上がらせるという手法やカルタを利用して、大坂は、文章の必然性を確固たるものにさせた。近年は、舞台美術の経験から演劇への関心を強め、個展では、生活音を利用したり、スナックのインスタレーションをギャラリー内に造ったりすることで、より作品にリアリティを吹き込むことを試みている。

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