ABOUT FUJISANTEN

- 富士山展とは -

なぜ富士山なのか

展覧会はタイトル通り、富士山をテーマにしております。富士山は予てから日本で一番「買われる」アートのモチーフです。その理由として、「正月に富士の絵を玄関に飾ると運気があがる」という言い伝えがあるからと言われ、現在でも百貨店をはじめ多くの関係機関で富士の絵は売られています。葛飾北斎が「富嶽三十六景」を描いたのも、保守画壇の絹谷幸二が、現代美術家の草間彌生が、時代/領域を横断して日本の巨匠たちが富士を描く背景にはそのような隠れた理由があります。 startbahnは「テクノロジーを活用してアートの課題を解決する」ことをミッションに掲げております。中でも重要課題として、新時代のアートの受け皿になるマーケットを作りそこで新時代のアートを育むことがあります。実現するには、今「正当な」アートとして扱われていない領域も含め、多くのクリエイティブを巻き込み、発展させる必要がありますが、一方で現在は作り手/受け手の多様化でスタイルやコンテクストが細かく分断され、それらのクリエイティブを大きな括りでまとめることが難しくなっております。 そこで、国内外の認知度が高く、「買う」慣習がすでにあり、多様化/細分化された様式を一つの方向に向けるパワーを持ち、何より「めでたい」、そんなモチーフとして富士山を選びました。「富士山展」では画家、彫刻家以外にも映像作家、イラストレーター、漫画家、メディアアーティスト、コンセプチュアルアーティスト、バイオアーティスト、ゲームクリエーター、アニメーター、起業家、音楽家、アイドルなど多様なクリエーター/開拓者に参加していただきます。アーティストや美術家を公言しているしている人たちに縛らず、開拓者という括りで出展者を選考する理由は、皆さんの活動が時 代に呼応しながらクリエイティブを模索するという、アーティストが本来的に行うべき活動をしているからという理由とともに、その姿勢/アウトプットが今後アートに大きな影響を及ぼし、その発展に寄与するこ とを確信しているからです。 出展作品は「富士山」をテーマに作っていれば、必ずしも富士山の絵でなくても構いません。富士山の概念でも歌でも踊りでも、アートっぽくなくても、めでたくない扱いでも構いません(ただし皆が愛する富士山なので扱いには注意をして下さい)​。今一度富士山を多様な目線で再考するきっかけを作り、そして、何よりアートを盛り上げるのに一役買うような展示が出来ればと思っております。